法律は理論つまりは理屈によって成り立っているが、肝心の人間の心はという
と、理屈ではなく心理、心情から成り立っている。
理屈と心の間にはギャップがある(債務整理の際、注意)。
これを利用するのが上手な詐欺師だ。
娘の縁談を持ってきてくれた人が、別の話で金を借りにきた。
縁談と借金話とは理屈の上では無関係だが、娘の親の気持ちとしては、どうし
ても絡まり合う。
娘の幸福を願えば、少々無理な借金話にもすげない返事はできない、というの
が人情である。
で、金は借りた、娘の縁談は成立しなかったとしても、それが詐欺になるかとい
うと、ならない。
娘の縁談と借金は別個の話で、縁談の点でアテにしたことに錯誤があったとし
ても、その錯誤によって金が出たという理屈が成り立たなければ詐欺にはなら
ない(債務整理の際、注意)。
第一、縁談などというものは、成る成らないは神様まかせのもので論理にのら
ない話だから、変化球としてはもっともうまいネタの使い方だ。
もっとも縁談というのがまったくのでたらめで、もっぱら金を借りる方便として持
ち出したにすぎないという事情が判明すれば、これは立派な詐欺になる。
だが縁談は縁談でいちおうは進みかけ、たまたまそれが成立しなかっただけ
だと言えることであれば、これはやむを得ないことで、金を借りるために編した
ことにはならない(債務整理の際、注意)。
